2012年 06月 14日
グライセミックインデックスおよび炭水化物量の減少は食後血糖、インスリン濃度を低下させる |
Reducing the Glycemic Index or Carbohydrate Content of MixedMeals Reduces postprandial Glycemia and InsulinemiaOver the Entire Day but Does Not Affect Satiety
ANN G. LIU, MARLENE M. MOST, MEGHAN M. BRASHEAR, WILLIAM D. JOHNSON, WILLIAM T. CEFALU, FRANK L. GREENWAY,
Diabetes Care Publish Ahead of Print, published online June 11, 2012
DOI: 10.2337/dc12-0329.
食物摂取後の血糖上昇の程度はglycemic index(GI)やglycemic load(GL)(食品のGIに摂取する糖質量を掛け合わせたもの)でランクづけられます。高GI食品は急速に大きな血糖上昇をもたらします。一方、低GI食品は食後血糖およびインスリン分泌の上昇が少なく、健康に有利に働くことが想定されています。これは特にインスリン抵抗性を有する対象者において重要と考えられています。疫学研究により、低GI、低GLの食事が糖尿病や心血管疾患の発症低下と関連づけられています。確立されたものではありませんが、低GI、低GL食は減量にも有利である可能性も考えられます。低GI食は満腹感を促進させ、炭水化物より脂肪の酸化を促進させることで減量を促進させる可能性が指摘されています。
多数の短期的な研究により、低GI食品摂取が空腹感の軽減および満腹感の上昇をもたらすと報告されていますが、これらの研究の多くでは栄養素配分、エネルギー密度、嗜好性などの因子の影響が排除できていないと考えられます。これらの影響を考慮した研究では、GIが満腹感、空腹感に及ぼす効果に関する結果は一致していません。本研究では、過体重および肥満者で、GIおよび炭水化物量を変化させることで日中12時間での食後血糖およびインスリン反応がどのように影響されるかを検討しています。合わせて、主観的な空腹感、満腹感への影響も検討されています。
目的: GIおよび炭水化物量が異なる混合食が日中の12時間において、食後血糖、インスリン反応、空腹感、満腹感にどのような影響を及ぼすか検討した。
デザインと方法: 26名の過体重および肥満者に対し、ランダムな順序で高GI高炭水化物食(HGI-HC)、高GI低炭水化物食(HGI-LC)、低GI高炭水化物食(LGI-HC)、低GI低炭水化物食(LGI-LC)を4日間摂取させた。12時間内の指示された時刻に朝食、昼食、夕食を摂取させた。血糖、血中インスリンをAUCとして定量的に検討した。空腹感、充満感、満腹感をビジュアルスケールで評価した。
結果: HGI-HCに比し、HGI-LC、LGI-HC、LGI-LCはいずれも有意に(P<0.001)血糖AUC、インスリンAUCを低下させた。空腹感、充満感、満腹感には各食事の間で有意差は認められなかった。
結論: GIおよび炭水化物量を減ずることで、食後血糖、インスリン濃度を低下させることができ、この効果は検討した12時間において持続した。しかし、主観的な空腹感、満腹感には各食事の間で有意差を認めなかった。これらの結果から、低GIあるいは低GL食を維持することが血糖およびインスリン濃度のコントロール方法として有用な方法であることが示された。
解説> この研究では高GIおよび低GI食を2種類の炭水化物量(40%Eと56%E)で比較しています。したがって、異なるGLの食事が4種類摂取されています。蛋白質量はいずれも20%Eで、1日の総エネルギー量は各参加者に合わせて調整され、各群で同一でした。血糖、インスリンとも炭水化物量よりもGIの影響が大きく反映されていました。
ANN G. LIU, MARLENE M. MOST, MEGHAN M. BRASHEAR, WILLIAM D. JOHNSON, WILLIAM T. CEFALU, FRANK L. GREENWAY,
Diabetes Care Publish Ahead of Print, published online June 11, 2012
DOI: 10.2337/dc12-0329.
食物摂取後の血糖上昇の程度はglycemic index(GI)やglycemic load(GL)(食品のGIに摂取する糖質量を掛け合わせたもの)でランクづけられます。高GI食品は急速に大きな血糖上昇をもたらします。一方、低GI食品は食後血糖およびインスリン分泌の上昇が少なく、健康に有利に働くことが想定されています。これは特にインスリン抵抗性を有する対象者において重要と考えられています。疫学研究により、低GI、低GLの食事が糖尿病や心血管疾患の発症低下と関連づけられています。確立されたものではありませんが、低GI、低GL食は減量にも有利である可能性も考えられます。低GI食は満腹感を促進させ、炭水化物より脂肪の酸化を促進させることで減量を促進させる可能性が指摘されています。
多数の短期的な研究により、低GI食品摂取が空腹感の軽減および満腹感の上昇をもたらすと報告されていますが、これらの研究の多くでは栄養素配分、エネルギー密度、嗜好性などの因子の影響が排除できていないと考えられます。これらの影響を考慮した研究では、GIが満腹感、空腹感に及ぼす効果に関する結果は一致していません。本研究では、過体重および肥満者で、GIおよび炭水化物量を変化させることで日中12時間での食後血糖およびインスリン反応がどのように影響されるかを検討しています。合わせて、主観的な空腹感、満腹感への影響も検討されています。
目的: GIおよび炭水化物量が異なる混合食が日中の12時間において、食後血糖、インスリン反応、空腹感、満腹感にどのような影響を及ぼすか検討した。
デザインと方法: 26名の過体重および肥満者に対し、ランダムな順序で高GI高炭水化物食(HGI-HC)、高GI低炭水化物食(HGI-LC)、低GI高炭水化物食(LGI-HC)、低GI低炭水化物食(LGI-LC)を4日間摂取させた。12時間内の指示された時刻に朝食、昼食、夕食を摂取させた。血糖、血中インスリンをAUCとして定量的に検討した。空腹感、充満感、満腹感をビジュアルスケールで評価した。
結果: HGI-HCに比し、HGI-LC、LGI-HC、LGI-LCはいずれも有意に(P<0.001)血糖AUC、インスリンAUCを低下させた。空腹感、充満感、満腹感には各食事の間で有意差は認められなかった。
結論: GIおよび炭水化物量を減ずることで、食後血糖、インスリン濃度を低下させることができ、この効果は検討した12時間において持続した。しかし、主観的な空腹感、満腹感には各食事の間で有意差を認めなかった。これらの結果から、低GIあるいは低GL食を維持することが血糖およびインスリン濃度のコントロール方法として有用な方法であることが示された。
解説> この研究では高GIおよび低GI食を2種類の炭水化物量(40%Eと56%E)で比較しています。したがって、異なるGLの食事が4種類摂取されています。蛋白質量はいずれも20%Eで、1日の総エネルギー量は各参加者に合わせて調整され、各群で同一でした。血糖、インスリンとも炭水化物量よりもGIの影響が大きく反映されていました。
by kamikubo_clinic
| 2012-06-14 15:12
| 炭水化物