2013年 02月 04日
エネルギー制限減量食における蛋白質量の影響: 無作為介入試験のメタ解析 |
Effects of energy-restricted high-protein, low-fat compared with standard-protein, low-fat diets: a meta-analysis of randomized controlled trials
Thomas P Wycherley, Lisa J Moran, Peter M Clifton, Manny Noakes, and Grant D Brinkworth
Am J Clin Nutr 2012;96:1281–98
減量目的のエネルギー制限食は、従来、蛋白質10-20%、炭水化物45-65%、脂肪35%以下程度の食事が処方されることが一般的でした。しかし、最近、蛋白質を25-35%程度に増量した食事によって、体脂肪の減少が促進されたり、除脂肪体重(骨格筋量)の減少を防止できたり、また、より大きな満腹感がもたらされたりすることが判明してきました。今回、エネルギー制限食における高蛋白質食の効果に関するメタ解析が報告されました。
デザイン: 減量目的の食事療法のうち、18歳以上の対象者に対して、同エネルギーで蛋白質と炭水化物の比を変えて影響を検討した24の無作為介入試験(合計1063名)を解析した。
結果: 食事療法の期間は12.1±9.3週(平均±SD)。標準蛋白質食に比し、高蛋白質食のエネルギー制限食は体重(-0.79kg)、体脂肪量(-0.87kg)、中性脂肪(-0.23mmol/L)、除脂肪体重減少量(0.43kg)、安静時エネルギー消費(595.5kJ/日)において、有意に望ましい影響を及ぼした。空腹時血糖、空腹時インスリン、血圧、総、LDL、HDLコレステロールには有意差を認めなかった。満腹感を検討した5の研究のうち、3の研究で、より大きな満腹感が得られていた。
結論: 同様に制限したエネルギー制限食においては、標準蛋白質食に比し、高蛋白質食の方が体重、体脂肪量、中性脂肪、除脂肪体重、安静時エネルギー消費において軽度の有用性を示した。
解説> 解析された研究は4~52週間のものですが、多くが12週前後の研究です。実際に摂取した蛋白質は、高蛋白質食で27~35%E(1.1~1.5g/kg/日)でした。平均としては、標準食と高蛋白質食は、蛋白質は17.5±1.5%と30.5±2.4%、炭水化物は56.9±3.3%と41.6±3.5%、脂肪は25.1±3.1%と27.8±3.2%でした。同エネルギー食での比較ですが、高蛋白質食は有意に体重減少が0.79kg大きかったとのことです。除脂肪体重や安静時エネルギー消費の低下が少なかったことなどが、体重減少に差があったことの原因としてあげられています。
今後、長期的な研究や糖尿病患者における研究が望まれます。
Thomas P Wycherley, Lisa J Moran, Peter M Clifton, Manny Noakes, and Grant D Brinkworth
Am J Clin Nutr 2012;96:1281–98
減量目的のエネルギー制限食は、従来、蛋白質10-20%、炭水化物45-65%、脂肪35%以下程度の食事が処方されることが一般的でした。しかし、最近、蛋白質を25-35%程度に増量した食事によって、体脂肪の減少が促進されたり、除脂肪体重(骨格筋量)の減少を防止できたり、また、より大きな満腹感がもたらされたりすることが判明してきました。今回、エネルギー制限食における高蛋白質食の効果に関するメタ解析が報告されました。
デザイン: 減量目的の食事療法のうち、18歳以上の対象者に対して、同エネルギーで蛋白質と炭水化物の比を変えて影響を検討した24の無作為介入試験(合計1063名)を解析した。
結果: 食事療法の期間は12.1±9.3週(平均±SD)。標準蛋白質食に比し、高蛋白質食のエネルギー制限食は体重(-0.79kg)、体脂肪量(-0.87kg)、中性脂肪(-0.23mmol/L)、除脂肪体重減少量(0.43kg)、安静時エネルギー消費(595.5kJ/日)において、有意に望ましい影響を及ぼした。空腹時血糖、空腹時インスリン、血圧、総、LDL、HDLコレステロールには有意差を認めなかった。満腹感を検討した5の研究のうち、3の研究で、より大きな満腹感が得られていた。
結論: 同様に制限したエネルギー制限食においては、標準蛋白質食に比し、高蛋白質食の方が体重、体脂肪量、中性脂肪、除脂肪体重、安静時エネルギー消費において軽度の有用性を示した。
解説> 解析された研究は4~52週間のものですが、多くが12週前後の研究です。実際に摂取した蛋白質は、高蛋白質食で27~35%E(1.1~1.5g/kg/日)でした。平均としては、標準食と高蛋白質食は、蛋白質は17.5±1.5%と30.5±2.4%、炭水化物は56.9±3.3%と41.6±3.5%、脂肪は25.1±3.1%と27.8±3.2%でした。同エネルギー食での比較ですが、高蛋白質食は有意に体重減少が0.79kg大きかったとのことです。除脂肪体重や安静時エネルギー消費の低下が少なかったことなどが、体重減少に差があったことの原因としてあげられています。
今後、長期的な研究や糖尿病患者における研究が望まれます。
by kamikubo_clinic
| 2013-02-04 14:31
| 蛋白質